Gluck
クリストフ・ヴィリバルト・グルック(Christoph Willibald Gluck

1714~1787年。ドイツの作曲家。ヴァーノン・リーが愛した作曲家のひとり。オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』(Orfeo ed Euridice)、バレエ音楽『ドン・ファン』(Don Juan)がとりわけ有名。リーはとりわけ前者を愛し、初期のエッセイ集Belcaroには'Orpheus and Eurydice'が収録されている。『オルフェオとエウリディーチェ』はベルリオーズやワーグナーも愛し、これを模倣したと言われる。
ピーター・ガンの伝記によれば、パリ滞在中、リーは6度もグルックの『オルフェオ』(Orfeo)を観劇に行っている。
短編'Gods and Ritter Tannhuser'では、オリンポスの神々が住む世界に流れる音楽がグルックの音楽に例えられる。グルックの音楽はヴァーノン・リーの分類によると'Apollonian'な音楽になる。同じく音楽をテーマとした短編'A Wicked Voice'でも、しばしばグルックの名前が言及されている。
また、対話形式をとったエッセイ集Altheaの中の一編 'Orpheus in Rome'では、病み上がりでふさぎ込んでいるBaldwin(ヴァ―ノン・リー自身のペルソナ)に友人のDonna Mariaが、グルックの『オルフェオ』を聴きに行くと良いとアドヴァイスする。
Laurus Nobilis収録の'Beauty and Sanity'では、"Historically, all you know is that Gluck's Orpheus made our ancestors weep; and that Wagner's Tristram makes our contemporaries sob"と書いている。
Genius Lociの'High Up'では、オルフェウスについて述べている。