モリス
ウィリアム・モリス(William Morris)

1834~1896年。イギリスの文学者、画家、デザイナー、社会思想家。産業革命後の機械化した社会の中で、手づくりの仕事の重要さ、美しさを説き、アーツ・アンド・クラフツ運動(arts and crafts movement)の中心となった。ラファエル前派の芸術家との交流もあった。モリス・デザインの家具や壁紙は今日でも人気が高い。
モリスは詩人でもあり、『世界の果ての泉』(The Well at the World's End, 1896)や『ユートピアだより』(News from Nowhere, 1890)などの散文作品ものこしている。また、彼がバーン=ジョーンズらと作ったThe Red Houseは世界一美しい家とも言われる。
ヴァ―ノン・リーは友人のメアリ・ロビンソンとともに、ハマースミスのモリス邸を訪れている。リーはモリスを'railway porter'か'bargee'に似ている、と思ったという。(Peter Gunn, P.79.)
モリスはリーの処女長編Miss Brownに登場するWalter Hamlinのモデルとされることもある。モリスは妻を少女のころから教育していたが、これがHamlinとAnn Brownの関係に投影されたと考えられた。