ゲーテ
ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)

1749~1832年。ドイツの詩人、小説家、劇作家、批評家、政治家、自然科学者と多方面にわたって活躍した。ドイツ最大の文豪で、小説『若きヴェルテルの悩み』(Die Leiden des jungen Werthers、1774)、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』(Wilhelm Meisters Lehrjahre、1796)、詩集『西東詩集』(West-östlicher Divan、1819)、悲劇『ファウスト』(Faust,1806, 1831)などの作品で知られる。シュトルム・ウント・ドランク(Sturm und Drang、疾風怒濤)運動の中心的詩人であるとともに、ヴァイマル公国の宮廷顧問を務める政治家でもあった。
ドイツ文化に傾倒していたリーは子供の頃からゲーテやシラーといったドイツ古典派の文学に親しんでいた。リーのOttilieは、Vineta Colbyによれば、"personal reconstruction of the romantic age of The Sorrows of Young Werther”である。リーはWetzlarにあるシャーロット(ヴェルテルが憧れる女性)の家を訪れ、"One realizes the utter obscurity, smallness, homeliness, out of which Goethe's romance spread its undying wings over the world"と書いた。また、リーのEuphorion(ファウストとヘレネの子ども)はゲーテの『ファウスト』から取られた。
旅行記風のエッセイ集Genius Lociでは、ドイツが"invent"したものとして、グリム童話、クリスマス・ツリー、バッハやモーツァルトの音楽らと並んで、ゲーテの"memoirs"を挙げている。リーにとって、ゲーテはドイツを象徴するものの一つであった。同書の'Envoy'ではゲーテのWilhelm Meisterに言及している。
同じく旅行記The Sentimental Travelerの"Up the Rhine"などでも、たびたびゲーテの名に言及している。

他にも、『ファウスト』と同じ悪魔との契約をテーマとした短編'The Lady and Death'をリーは遺している。リー作品中には、ゲーテ作品への言及は多い。例えば、小説Ottilieの中では、ゲーテのHermann and Dorotheaの名前が挙げられている。
旅行記The Tower of the Mirrorsには'Werther's Wetzlar'という章があるが、そこに次のような記述がある。"As soon as I had proceeded on my journey, I became aware that during that evening alone at Wetzlar, addressing picture-postcards and letting my thoughts run idly on Werther and his and Goethe's Charlotte, I must have been quite unusually happy."
The Handling of Wordsではコーデリアやオセローらと並んで、ウェルテルの名前に言及している。
また、リーは書簡の中でゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』に言及したりもしている。(Complete Letters Volume 1, P.505.)
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