ハーディ
トマス・ハーディ(Thomas Hardy)

1840~1928年。イギリスの小説家・詩人。小説家として活躍したのち、詩人に転向した珍しい例。19世紀後半から20世紀前半のイギリスを代表する文学者と言える。ハーディの小説には厭世主義的思想が見られる。詩には自然をうたったものが多い。小説の代表作に『帰郷』(The Return of the Native, 1878)、『ダーバヴィル家のテス』(Tess of the d'Ubervilles、1891)、『日陰者ジュード』(Jude the Obscure、1895)、詩の代表作に『覇王』(The Dynasts, 1904~8)などがある。
ハーディはリーの友人だったメアリー・ロビンソンの友人で、しばしばその家を訪問していた。リーはそこでハーディに会ったことがある。
ハーディの作風からして、リーとの共通点は見つけにくい。強いて共通点を挙げれば、他者への共感がある。ハーディは当時横行していた動物虐待に心を痛めていた。作品の中で他者への共感を描き、それを通じての社会改革を彼は願ったとされる。動物愛護の精神を見せた点において、ハーディとリーは共通している。
リーのThe Handling of Wordsにはハーディの文体を扱った章がある。ここでは『テス』の文章を多く引用し、その文体を分析している。引用した文章の中で使用されている名詞、動詞の数を数え、それをキプリングら他の作家の場合と比較している。そして、ハーディの文章には形容詞が多いことに着目している。さらに、次のように書いている。"And the very faults of Hardy are probably an expression of his solitary and matchless grandeur of attitude. He belongs to a universe transcending such trifles as Writers and Readers and their little logical ways." (P.241) 同書で、リーはハーディの人気について、"tragic feeling"と"pantheistic or mythological spirit"にあるとしている。(231)
Vernon Lee ArchiveとThomas Hardy Archiveはメイン州のColby Miller Libraryで隣同士にある。
